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葬儀の生前予約は本当に安心なのか?失敗しない契約のポイントや注意点

 生前予約のポイントと注意点、メリットとデメリットなど

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終活の一環として近年多くなってきたのが、葬儀の「生前予約」です。生前予約とは、葬儀の規模や内容、費用、支払い方法などについて事前に葬儀社に相談して予約しておくシステムです。

自分の意思を葬儀に反映することができるので、「最後まで自分らしくありたい」という人や、「残された家族に、精神的、金銭的な負担をかけたくない」と申し込みされている方がほとんどでしょう。

生前予約は費用が安く抑えられ、衣装や祭壇なども自由に決められるメリットもあります。ここでは葬儀社の選び方のポイントや、注意点、費用のメリットなども含めて生前予約を紹介していきます。

 重要なのは「信頼できる葬儀社」を選ぶこと

生前予約には、相談をして申し込みの予約をするだけのものから、実際に葬儀の費用を積み立てたり、先払いしたりしておくものなど、葬儀社では色々なプランを用意しています。

「プランを決めて支払いまで済ませておけば、遺される家族に負担が掛らない」と考えて先払いを選ぶ人も少なくありません。

でも、葬儀社が経営破綻でもして倒産してしまったらどうなるでしょう。葬儀の施行はおろか契約金の払い戻しすら難しいということになる可能性もあるのです。そのため、お金を先払いする契約の場合は、葬儀社の経営状態をしっかり確認しておくことが大切です。

まず、生前予約の葬儀社を選ぶ際は、一社ではなく必ず複数の会社に相談して見積りを依頼しましょう。そこで、事前相談に応じてくれる、パンフレットを請求しやすい、プライバシーに配慮しているか(例えば、葬儀社などと分からないように届けてくれるなど)などをチェックします。

さらに、見積りの名目が分かりやすく書かれているか、オプション料金や追加料金が発生するケースについて教えてくれるかなどをよく見て、葬儀社を選んでいきます。
すぐに契約を迫ったり、支払い期日に余裕がない葬儀社は、悪質または倒産のリスクのもありますので避けるべきです。そうして、体制がしっかりした、話を聞いてくれる葬儀社に絞っていきます。そして、(将来会社が倒産するリスクも見込んで)前払いではなく、できれば、後払いに対応できている会社を選ぶようにしましょう。

前払いの場合、「葬儀生前信託契約」が用意されているか

前払い契約の場合、「葬儀生前信託契約」という仕組みも用意している葬儀社もあります。これは、金融機関に葬儀費用を信託財産として預けておくもので、亡くなったときは生前予約したとおりのプランで葬儀が行われ、その費用を預けたお金から金融機関が支払う方式です。葬儀代金は葬儀代金を葬儀社の資産とは明確に区別して、分別管理されます。

この制度があれば、本人が亡くなる前(葬儀が行われる前)に万が一葬儀社が経営破綻してしまった場合、信託会社が保全している財産(預けた葬儀費用)は戻ってくるので安心です。

葬儀プランの変更や解約ができるか

葬儀の生前予約は、いわば、いつ訪れるかわからない将来のことに対する契約です。予約をしてから時間が経てば、ライフスタイルも変わります。葬儀に対する考え方が変わってプランを見直したり、他の葬儀社に乗り換えたくなったりすることも考えられます。葬儀プランの見直しや解約ができるかという点は、解約時に違約金が発生するかどうかを含めて、事前に確認しておくことが大切です。

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生前予約は本当に安くなるのか?

一般的な葬儀の平均費用は200万円といわれています。年代や交友関係によって多少の違いはあるでしょうが、だいたいこれが現実的な数字です。なにも準備をしていないとこれだけの金額がかかることのなってしまいます。これが、生前予約をすることで、葬儀そのものの費用が安く済むというメリットがあります。では、なぜ生前予約で安くなるのでしょう。 

葬儀では大きなお金が動きます。それを行う葬儀会社の「儲け」も大きいといえるでしょう。たとえ安くしたとしても、葬儀会社としては、「自分のところで葬儀を挙げてくれる」というだけで利益が出せるのです。

そのため、事前に確約を取り付けてくれる人というのは、それだけで利益が確定するわけですからありがたいわけです。

また、契約者もこれによって、さまざまな恩恵が受けられます。金銭面では、亡くなったときにいくらかのキャッシュバックがあったり、永代供養のための費用を安くしてくれるサービスやお見舞金が出るところもあるようです。優遇サービスは実にさまざまですが、利用価値はとても高いと言えます。

また、お葬式の方法や必要な物品などがあらかじめ決められている為、予想外の事態が起こりにくく、追加料金が発生しにくいことも生前予約の良いところです。

 生前予約で思わぬトラブルとなることも

近年葬送方法が大変多様化する中で、生前予約ができる葬儀社のなかには、一般的な葬儀形式に加えて樹木葬といった「自然葬」が予約できたり、海洋への散骨、はては宇宙への散骨が予約できる所もあります。

自然葬は、既存の宗教や宗派にとらわれない、比較的自由な形式の葬儀で、参列する人数なども自由ですが、自然葬に限らず、一般的な葬儀そのものを生前予約する際も注意が必要です。

家族の意向や宗派がある場合は、家族や親族の理解を得られないまま一人で予約すると、後にトラブルになる恐れがあります。

まだまだ葬儀を生前予約するのは「縁起が悪い」と嫌う人もいますので、なかなか生前予約は理解が得られにくいという点も上げられます。

事前にしっかりと見積りや内容を確認せずにいると、いざという時に追加料金がかかったり、散骨など希望にそった葬儀ができなくなることもあります。 

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生前予約する際のポイント

1.生前予約について一人で決めず、家族や親族の理解を得ること。

2.一社ではなく必ず複数の会社に見積りを依頼する。

3.見積り書はわかりやすいか?オプション料金や追加料金が発生するケースについても確認する。

4.すぐに契約を迫ったり、支払い期日に余裕がない葬儀社は、悪質または倒産のリスクの可能性もあるので避ける。

5.前払いではなく、できれば後払いに対応できている会社を選ぶ。

6.前払いの場合、葬儀生前信託契約」が用意されているか確認する。

葬儀の生前予約は、「残された家族に、精神的、金銭的な負担をかけたくない」と考えて申し込みされている方がほとんどでしょう。そして、生前予約によって自分の理想のお葬式をしてもらえるのも大きな魅力です。

しかし、葬儀社にとっても葬儀の確約を取ることは経営上のメリットが大きいことから、無理な勧誘を行っているところもあるようです。 

是非、生前予約のポイント1~6を参考にしながら、信頼できる葬儀社を選んで下さい。