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葬儀の「生前予約」に「冠婚葬祭互助会」利用は良い方法なのか?仕組みや契約の注意点

「冠婚葬祭互助会」の利点、葬儀費用や解約金について

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 終活の一環として最近盛んに話題となっているのが葬儀の「生前予約」です。生前予約とは、葬儀の規模や内容、費用、支払い方法などについて前もって葬儀社に相談して予約しておく方法です。

 いかし、以前からいざというときに困らないよう、お葬式の費用を積み立てておく制度があることをご存知ですか?

その代表例が、昭和23年(1948年)からの歴史を持つ冠婚葬祭互助会(かんこんそうさいごじょかい)です。今回はこの互助会制度の葬儀利用についてご紹介します。

互助会とは?冠婚葬祭行事に備えた積立で費用が軽減できる制度

互助会とは、結婚式や葬式といった冠婚葬祭行事に備えて、加入者が毎月一定額の掛金を前払金として払い込むことで、お金を積み立て、いざという時に契約額に応じたサービスという形で受ける仕組みのことです。そこが、現金で受け取る保険や共済との大きな違いです。簡単に言えば「いつかは来る死に対して事前に準備をすることにより、費用が軽減できる」という制度です。

互助会の歴史は戦後の横須賀から

互助会の起源は昭和23年に横須賀冠婚葬祭互助会が設立されたのが始まりです。当時の日本は貧しく、満足に結婚式や葬式が出来ませんでした。

そんな中、「少しのお金でもみんなが互助の精神で助け合い、力を合わせれば立派な結婚式やお葬式もできるはずだ」と、始まったのが冠婚葬祭互助会です。冠婚葬祭互助会の名称は多額のお金がかかる冠婚と葬祭の二大儀式を「互いに助け合い」の礼をもって送りたいという相互扶助の願いを込めたものです。

こうして始まった互助会は、戦後の生活の改善、合理化を進める新生活運動とともに、合理的で利便性の高いシステムが当時の世相に迎え入れられ、互助会制度は全国に普及していきました。

互助会の仕組み

 互助会は、割賦販売法に基づき経済産業大臣から認可された企業だけが行える事業です。業界団体として、一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)があり、全国213社(平成30年9月現在)が加盟し、前受金残高ベースで全国の互助会の98%を占めています。加盟する互助会は全国各地に結婚式場、斎場、貸衣裳部門等を持ち、冠婚葬祭事業を展開しています。

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引用:一般社団法人日本冠婚葬祭互助協会HPから

 

互助会は「互いに助け合い」という相互扶助(そうごふじょ)の精神から生まれたものです。少しの金額でも加入者が出し合うことで、冠婚葬祭の負担を軽くすることを目的とされています。会員になり、毎月一定額の掛け金を積み立てていくことで、冠婚葬祭費用の割引サービスを受けることができます。

互助会の特徴

 互助会は「自分で葬儀費用を積み立ておきたい」という人に向いているサービスです。しかし、積み立てた金額で葬儀にかかる費用の全額をカバーできるわけではありません。仕組みや良い点、注意点などをよく理解した上で上手に利用するようにしましょう。

互助会の良い点

一番の利点は、月々の積み立ての中から葬儀費用の一部に充当することができるので、葬儀のときに全額を用意しなくてもよいという点です。葬儀の式場についても、互助会加盟の業者は設備の整ったセレモニーホールを持っているので、希望するお葬式の形式に合った場所で行うことができます。

また積立金は、葬儀費用だけでなく、仏壇・仏具の購入費や、結婚式など他の冠婚葬祭行事に使用することもできます。さらに、互助会によってはレストランや旅行先などの提携施設で割引を受けられるサービスを行っているところもあります。

互助会の注意点

互助会利用で最も気をつけたい点は、解約手数料が掛ることです。もちろん解約は法的に認められていて、手数料は積立金の2割程度の手数料が必要となることが多いようです。場合によっては、それまで積み立てた金額の半分程度しか戻ってこないこともあるようなので注意が必要です。

また、互助会で積み立てていることを家族が気が付かず、別の葬儀社を利用してしまった場合は、積み立てた金額は戻ってきません。

積立金はあくまで葬儀費用の「一部」に充当されるものです。積み立てた金額で葬儀にかかる費用のすべてをまかなえるわけではありません。不足分は支払わなければならないので、その分のお金は別に備えておく必要があります。

互助会が想定している葬儀の規模はいわゆる従来の一般葬と呼ばれているもので、その平均金額は総額150万円前後かかると言われています。他方で互助会の積立てプランは15~50万円程度のものがほとんどです。あくまでも葬儀費用の一部でお得になる程度のものと考えておいたほうがいいでしょう。

互助会にまつわるトラブルで多いのがやはり費用と解約の際の対応についてです。入会する際に「もし解約するとしたらどうなるのか?」は後で後悔しないためにもきちんと確認しましょう。
解約を希望する場合はどこに連絡をすればいいのか。必要なものはなにか。どのくらいの割合で戻ってくるのか。満期前の解約はどうなるのか。などきちんと確認したうえで契約をしましょう。そうすれば、もし考えが変わって解約する際もスムーズに進めることができるはずです。
また、葬儀費用はいくつかの項目を合わせた総額の費用で確認することが重要です。一般的に葬儀に必要な備品、祭壇、式場、火葬料、料理、返礼品、車両費などが見込まれます。
互助会制度を利用して自分が積み立てるプランにどこまで入っているのか、プランを利用して最終的にはどのくらいの費用が必要になるのかをしっかりと確認しましょう。可能であれば事前見積書をだしてもらい、明確な数字で確認をしたいですね。

互助会の葬儀費用や会場など

各互助会で、葬儀プランと価格が決められています。プラン内容に対しては比較的安価に利用できるのが互助会で葬儀を行う場合の一般的な見方ですが、葬儀全体の費用をみたときに安価であるかどうかは意見が分かれるところです。

良心的な葬儀社では、はじめから適正価格で料金を設定しているので生前予約などは関係なく料金は一定の場合が多いようです。予約することによって、大幅に割引がある場合などは逆に当初の料金を高めに設定している可能性が高いので、他の葬儀社と比較する事をお薦めします。

また、現在は小規模な葬式や家族葬を選ぶ方が多くなっていますが、互助会の葬儀プランではいわゆる従来の規模の一般葬がほとんどのようです。

会場は、各互助会の直営会場または提携会場を利用することになります。自社の設備が整っている斎場を持っている業者が多く、それ以外にも公営斎場や火葬場併設斎場、寺院斎場など、さまざまな葬儀場を紹介してもらうことが可能です。

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まとめ 

互助会が想定している葬儀は従来からのもので、大勢の会葬者を葬儀に呼ぶことを前提としています。そのため、互助会員は月々費用を積み立てておくことで、大きな出費に備えていました。
また、互助会の会員価格も、例えば豪華な祭壇などを使用する場合にはお得です。中〜大規模の葬儀を考えている場合には互助会利用は有効といえるでしょう。

しかし、そもそも質素な葬儀で済ませる場合は互助会はそれほど魅力的なものとはいえないでしょう。質素でもいいからとにかく葬儀を低価格に抑えたい人の場合は直葬や家族葬などを検討したほうが良いでしょう。

また、途中で解約した場合でも掛け金が満額返ってくるわけではありません。積立金から解約手数料を引いた額が払い戻される形になります。この解約手数料が契約者が想定していた金額よりも多いケースがあり、トラブルに繋がるケースも多いようですので、契約される際は、解約する場合も想定して後で後悔しないようにきちんと確認しましょう。

 

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