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老後の生活にゆとり。自宅に住みながら老後資金が手に入る「リバースモーゲージ」の仕組みと注意点

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最近よく耳にする「リバースモーゲージ」。自宅に住んだまま老後の資金が手当てできると宣伝されていますが、その仕組みはどのようなものなのでしょう。終活セミナーでも、家の処分については、リバースモーゲージの活用も選択肢の一つと紹介されている場合も多いようです。今回は、このリバースモーゲージについて紹介したいと思います。

リバースモーゲージとは自宅を担保にする金融商品のひとつ

リバースモーゲージとは、「自宅を担保にお金を借り、契約者が死後にその家を売却して元本を返済するという金融商品」です。資産価値がある持ち家を持つ高齢者を対象にしています。例えば、思うように老後資金がたまらなかった、年金だけで生活が不安という方にとっては、自宅を売却せず担保にしてお金を借りることができて、その家に住み続けられるというサービスです。

融資限度額は自宅の不動産評価額の50~80%程度。契約期間は、契約年数(20年間など)を設定するか、契約者または契約者夫婦2人が死亡してから約3カ月後としているケースが多いようです。契約が終了すると、銀行が担保にしていた自宅不動産を売却して現金化し、そのお金で融資を回収します。お金が残った場合は、遺族に返還されるという仕組みです。 また、相続人がローンを返済すれば、不動産は相続財産として残ります。*金融機関によって条件は変わります。

もし、あなたの資産が「自宅不動産と少しの預金」という場合、老後に生活費などの資金不足になったら不動産を売却するしか方法がなくなってしまうことでしょう。そうなった場合は自宅を手放し、引越しを考えなければなりません。「お金が足りなくなったので、引越しをする」というのは心細いものです。特に高齢の方にとっては、住み慣れた環境を変えることは、精神的な負担も大きいでしょう。ご近所づきあいがある、通い慣れたスーパーやかかりつけの病院などがあるなど、普段の生活や環境はできればそのまま続けたいと思うのが一般的です。それを叶える方法として、リバースモーゲージが注目されているのです。 

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融資方法や返済方法は自分に合わせて選択

リバースモーゲージは概ね55歳以上の方が利用できて、融資金額は担保評価額の50%~80%以内です。使い道が限定されている場合もありますので、金融機関を選ぶ際のチェックポイントになります。

・融資方法は大きく分けて3種類 
1.利用限度枠内で自由に引き出しタイプ
2.年金タイプ
3.一括タイプ

・返済方法は大きく分けて2種類 
1。毎月返済は無し(死亡時に利息分も含めて返済)
2.毎月返済は有り(利息のみを毎月返済)

まずは、どのタイプが自分に合っているのか検討してみましょう。取り引する金融機関を選ぶ材料になります。

借りられるかは担保価値が重要。金利の上昇や担保価値の下落にも注意が必要

良いことばかりではなく注意することも少なくありません。まず、エリアや物件に制限があるということが上げられます。担保価値が高い、大都市圏か、銀行・金融機関の営業エリアに限定されている。また、担保評価額の下限を示している銀行もあります。銀行によっては「8000万円以上」とハードルを高く設定しているところもあるようです。

担保評価に対する融資限度額が50%程度と低めに設定されている銀行が多いため、思ったほど多額の資金を借りられないケースも考えられます。あまりにも評価額が低くしか出ないのであれば、いっそのこと自宅を売却するという選択肢も出てくるでしょう。

また、借りられたとしても金利上昇や不動産価格下落のリスクがあります。多くのリバースモーゲージは金利を3%前後としています。金利変動型なので、現在は3%前後ですが、今後は金利が上昇することも考えられ、そうなれば金利負担が大きくなってしまう可能性があります。もし、想像以上に長生きしてしまった場合、早い段階で融資限度額に達してしまい、その後は新たな資金を手にすることはできなくなってしまうことも考えられます。

また、銀行は数年に一回、担保不動産を評価しています。不動産市況が悪化すれば、それに合わせて融資限度額を引き下げることになります。融資限度額は固定的なものではなく変動するのです。さらに、不動産の下落幅が大きく、借入残高を下回るということになれば、全額または差額分を銀行に返済しなければならない。こうした事がないように多くに銀行では50%までしか貸していないのですが、用心するならば、融資限度額をすべて借りないほうが良いでしょう。 

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まとめ

担保物件となる資産価値が影響するリバースモーゲージですが、金利が3%前後と、消費者金融などで借りるよりも非常に金利が安いのは魅力です。「預金は少ないが、自宅だけはある」という高齢者世帯にとって、リバースモーゲージは有力な選択肢の一つでしょう。   
また、死亡時に精算ということで、相続財産に担保が設定されることになります。推定相続人に「同意書」を求める金融機関が多いので、リバースモーゲージの利用については、事前に家族で話し合い理解を得ることが大切です。

 

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