終活とは人生をより良く生きる作法

終活とは?エンディングノート・親の介護・老後の生活など、自分らしい最期を迎えるために必要なことを考えています。

データ終活 パソコンやスマホのデータはどうする?

 

パソコンやスマホのデータはどうなる?

「もし、自分が突然死んだら、パソコンやスマホはどうなるのだろう。」と考えたことはどなたでも一度はあるのではないでしょうか?

まさに、個人情報の塊ともいえるパソコンやスマホ。「もし、自分の死後、家族にスマホの中身を見られたら…」と思うと不安になってしまいます。

テレビ番組でも「デジタル終活」がたびたび特集され、他人事ではないとの声も多数寄せられ、感心は高まっています。

パソコンは言うに及ばず、スマホも最近では、60代以上の人の使用率も年々高まっていて、平成29年度版の「情報通信白書」によれば、高齢者のスマホ使用率は10%で、タブレットは9%だそうです。また、70代でのネット利用率は同年時点で50%前後、80歳以上でも20%前後となっているそうです。

高齢者の方だけでなく働き盛りの方も、万が一の場合を考えてパソコン、スマホのデータ終活について考えておくべきでしょう。

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残された人が困る可能性

最近では、インターネットでの銀行口座開設も一般的になっています。
自分が亡くなった場合、家族が故人の遺産(預金など)を調べようとした時、インターネットの口座番号が分からなかったら、残された家族は困ってしまいます。また、口座番号が分ったとしても、IDやパスワードが分らなければどうにもなりません。特に最近は第三者による不正アクセス防止のためのセキュリティ強化が行われていてなおさらです。

また、登録している有料サイトがあれば、解約する必要がありますが、その際にもIDやパスワードが分からないと困ります。そもそもどのようなサイトに登録していたのか、どのようなサービスを利用していたのかを遺族が分るように残しておかなくてはなりません。

もし、自分の死後に家族に見られて困るようなもの(有料アダルトなど)は早めに退会しておくか、万が一のことを想定して対策をとっておくことをお勧めします。

トラブルの原因になる可能性

家族に内緒で行っていた株取引やFX取引、仮想通貨の取引などを行っていた場合、金銭トラブルに巻き込まれたなどの事例はよくあるケースです。

 

このようなインターネット取引の場合、IDやパスワードが分って運良く取引きの停止や解約ができれば良いのですが、ID,パスワードが分からない時は専門家に依頼して解除してもらうことになります。


その際、費用や手続きにかなりの日数がかかるでしょう。また、見られては困るような情報や個人情報も一緒に見られてしまう可能性もあります。

インターネットの銀行口座は、利用者が死亡すると凍結される仕組みになっていますが、株取引などはそうはいきません。万が一の時のために、インターネット取引のパスワードやIDは書き残しておいたほうがよいでしょう。自分が開設している口座などのパスワード、IDはまとめて1枚の紙に書き、通帳などに挟んでおくと後々発見されやすいかもしれません。


生前に伝えるのはちょっとまずい(家族に内緒の場合もあるでしょう)という方は、死後発見されやすそうな場所に保管しておくのも方法です。

誰にも見られたくないデータ

パソコンやスマホの中に、誰にでも見られたくないデータが入っているものです。ID、パスワードを残しておくだけだと、解除した時に見られたくないデータが人の目に触れてしまう可能性があります。このような誰にも見られたくないデータはどうしたらよいのか?

 

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一番よいのは自分で見られたくないデータを消去しておくことですが、死はいつ訪れるか分かりません。現実的には難しいでしょう。

 

最近では他人に見られて困るデータやソフトを、自分の死後に自動で消してくれるソフトも存在します。

これらのソフトは、不慮の死亡時に備えたデータ削除機能があり、日付を直接指定する方法と、最終起動から〇日経過、という2種類のタイミング指定が可能です。

普通は自分の死亡日など予測できませんので、後者を利用するのが一般的でしょう。ここに削除したいフォルダやファイルを登録しておけば、条件を満たした時にデータを自動削除してくれます。

また、データ削除が完了した後(つまり自分の死後となります)、パソコンを初めて起動した人に向けて遺言を表示する機能が付属しているものもあり、事前に自由に文面が入力できる仕組みになっているようです。

もちろん間違って削除しないように、削除実行前に確認メッセージを表示させる設定も可能なので、亡くなっていないのにデータをうっかり消してしまう心配にも対応しています。

 また、データを自動削除するのはちょっと怖い……という人には、見られたくないフォルダやファイルを普段から“偽装”しておくソフトも多数存在します。パソコン内にデータが残ったままでも構わない、要は他人から見えなければいいという考え方ですね。

このように、無料でデータの終活を手助けしてくれるソフトやアプリは、他にもたくさん存在しています。

 

しかし、気をつけたいのが、これらのソフトは秘密にしたいデータを手軽に削除や隠蔽が可能ですが、決して完全なものではないということです。たとえば削除したデータは、ファイル復旧ソフトを使えば元どおりにされてしまう可能性があります。

データの偽装も同様で、パソコンに詳しい人なら偽装を見破って、場合によっては隠したはずのデータにたどり着くことも可能でしょう。あくまでも、完璧ではないことを頭に入れて、ソフトやアプリは利用しましょう。