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樹木葬の費用、メリットやデメリット、気をつける注意点を解説します

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核家族化、未婚化、少子高齢化などが進む中で、お墓も代々引き継ぐものというこれまでの考え方から変化してきて、埋葬方法も随分変わってきています。

そんな中で近年注目を集めているのかが樹木葬です。同じ自然葬でも散骨と違って個人をしのぶ場所があり、「亡くなって自然に還る」というイメージが共感を集め、継承者がいらないということで人気が高まっています。

しかし、樹木葬は従来の一般的なお墓とは違う点があり、樹木葬で本当に大丈夫なのか、後で困ることはないのか、費用はどれくらいかかるのか、そんな疑問や不安に応えるため、事前に知っておくべき樹木葬のメリット、デメリットなどを含めてご紹介します。

注目を集める樹木葬とは

一般的に樹木葬は墓石の代わりに樹木を植えるお墓の形式のことをいいますが、大きく、里山型、都市型・公園型、ガーデニング型に分けられます。

樹木葬に使われる木にもサクラやツバキなど、さまざまな種類があります。一本の樹木が立っているのを想像しがちなのですが、ガーデニング型では小さな灌木や草花を用いることもあります。

また、樹木墓地樹林墓地とも呼ばれる樹木葬は、墓石は使いませんが墓地埋葬法で認められた場所だけなので、法律上は一般のお墓と同じ扱いになります。

樹木葬の費用はいくらかかる 

では、樹木葬の費用はいったいいくらかかるのでしょうか? お墓情報サイトの「いいお墓.com」が2017年に行った「お墓の消費者全国実態調査」では、樹木葬の平均購入額は70.9万円となりました。最も多い価格帯は「40~60万円未満」で33.3%となっています。

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出典:いいお墓.com「2017年 お墓の消費者全国実態調査」

現在、樹木葬を紹介している情報サイトは沢山あります。それらを確認してみると、需要の高い東京や横浜といった大都市であれば、夫婦2名で75万円程度が相場となっているようです。一人で都心から離れた場所ですと、10万円からという格安の永代使用料もかなりあります。

樹木葬のメリット

注目を集めている樹木葬の最大のメリットは、やはり費用と継承者の問題でしょう。従来の墓石の一般的な購入価格が150万円前後といわれるなか、樹木葬の費用はそれの半分程度という価格の安さです。

そして、樹木葬は本質的には永代供養墓の一種なので、お寺や霊園に供養をお任せすることができ、お墓の継承者がいなくても供養してもらえるということが人気の理由です。

亡くなったら自然に還りたいという願いを一番かなえやすい埋葬方法でもあります。樹木が墓標となることから自然と一体化し、自然環境保全に役立つことができるのもメリットのひとつでしょう。

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樹木葬のデメリット

樹木葬を正確に理解されていないことで後悔することもあるようです。転ばぬ先の杖ではありませんが、樹木葬のデメリットも理解しておきましょう。

1.手入れがしにくい

樹木葬は通常のお墓詣りや清掃に比べて管理が楽というイメージがあるようですが、すべてがそうだとは限りません。里山タイプの樹木葬ではさまざまな木々や植物が自生しています。自然が共にある環境ですが、これが樹木葬のデメリットとなるのです。

樹木葬して区画された場所は、管理人がお参りにきて手入れしなければならないのですが、木が植えてあれば当然ながら、落ち葉や雑草の処理が必要となります。そもそもが永代供養を前提としたお墓であるために、お参りが滞りがちになってしまうことも。他のだれも管理・清掃してくれないとなれば、いずれ荒れた雑木林のようになってしまう可能性もあります。とりわけ、都心から離れた里山タイプの樹木葬墓地は、管理が大変です。

2.交通の便が悪くお墓参りがしにくい

樹木葬は、本来里山に埋葬し遺骨を自然に還す目的で行われるものでした。そのため、自然環境やロケーションなどは良いのですが交通アクセスが悪いところも多いのです。
都市型・公園型やガーデニング型は、比較的交通利便性の良い霊園・墓地があるのですが、里山型は、山間地の樹林になりますので、電車やバス、タクシーを乗り継いでいかなくてはならないで、時間や費用もかかります。

3.お参りの実感が得られない

樹木の墓標にお参りに行ってもお参りをした気になれない、という声も少なからずあるようです。一般のお墓と違い、樹木に手を合わせてみても、そこに故人の存在を確認しづらいのでしょう。特に合祀されて場合は、樹木全体に漠然としたお参りをすることになるのでなおさらです。

また、暮石があるお墓ではお参りにお線香を備えのが一般的ですが、樹木葬では火事防止のため火気厳禁の場合が多く、そういったお参りの方法ができない場合があります。

4.遺骨が取り戻せない

これは樹木葬だけでなく、他の永代供養墓にもいえることなのですが、埋葬形態によっては他の人と合葬(合祀)されることとなります。

つまり、遺骨が他の人のものと混ざってしまい、改葬しようにもできなくなるケースがあります。なかには骨壷のまま納骨してくれる場合もありますが、樹木葬は共同埋葬が多いので、埋葬したらそのあとの改葬(引っ越し)は難しいと考えた方がいいでしょう。

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樹木葬のデメリットを解消するのには 

1.管理・清掃に関しては、お寺・霊園が行っているところもあります。事前に確認して、出来るだけ維持管理の負担がないところを選びましょう。

2.立地に関しては、理想は自然に還る里山型が理想ですが、お参りする人や管理の問題なども考えて、交通アクセスのよい都市型・公園型の樹木葬を選択すれば良いでしょう。

3.お参りの実感がない、線香が上げられない、については考え方の問題です。お墓におもむいて個人に思いを馳せ、手を合わせることで納得するならば、デメリットではなくなります。

また、献花台やお供え置き、ローソク立てや線香皿が置いてある霊園・墓地もあるようなので、事前に確認しておきましょう。

4.お骨の問題ですが、骨壷のままの埋葬なのか、他の方との合祀なのかは霊園によってさまざまです。事前に確認して、ご家族や親族と相談の上、みんなが納得できる形の場所を選ぶようにしましょう。(骨壺の埋葬でも、一定の期間がくれば、合同の合葬墓に埋葬されることもあります)

樹木葬は今後も増加傾向が続く

お墓情報サイトのいいお墓.com」が2017年に行った「お墓の消費者全国実態調査」では、実際に約4人に1人が、樹木葬を選んでいます。

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出典:いいお墓.com「2017年 お墓の消費者全国実態調査」

樹木葬の誕生は、1999年に日本で最初の樹林墓地になった、岩手県一関市の祥雲寺(現在は知勝院)からなのですが、現在のように広がったのは、NPO法人が始めた桜葬といわれています。お寺などの里山型の樹木葬とは違い、利便性など考慮して都市でも行えるように環境整備した都市型の樹木葬を普及させていったのです。現在では、首都圏(東京)を中心として全国的に樹木葬墓地の広がりが見られます。一般墓に比べて安価、継承者の心配もない、アクセスの良い都市型の樹木葬墓地も整備されてきたことから、樹木葬は今後も都市部を中心に増加していくものと思われます。 

樹木葬まとめ

亡くなって自然に還りたい、自然の中で眠りたいという本人の希望とはうらはらに、まだ歴史の浅い埋葬方法であるので、周囲に理解されづらいこともあるようです。 

一番の問題はお骨の扱いでしょう。他の永代供養墓とも共通する問題でもあります。合祀となると故人のお骨と取り戻すことは不可能となってしまいますので、後々親族とトラブルにならないよう、よく相談しておくことが大切です。

樹木葬墓地探しは専門のサイト利用が便利です

複数の樹木葬墓地を見学するために活用したいのが、霊園のポータルサイト「 いいお墓.com 」です。東証一部上場の鎌倉新書が運営するサイトで、日本全国7,700以上の霊園を掲載しています。樹木葬だけでも現在300以上の登録があります。ご自宅や実家の近くのお寺や霊園で樹木葬墓地があるところも一斉に調べて資料請求することができます。一度の入力で複数の資料請求ができる手軽さと、ギフトカードの特典もお得です。

まずは情報豊富な専門サイトで資料請求してみて、気になるところを複数見学するのが、上手なお墓の探し方です。 

 

 

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