終活とは人生をより良く生きる作法

終活とは?エンディングノート・親の介護・老後の生活など、自分らしい最期を迎えるために必要なことを考えています。

秋野暢子さんの終活 エンディングノート、断捨離や尊厳死の準備も進めている

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芸能界でも、さまざまな方が終活に取組んでいます。色々なところで取り上げられたり、バラエティ番組で告白したり、本を出されてる方もいます。今回は週刊誌で取り上げられた秋野暢子さんの終活を紹介します。

 秋野暢子さんは大阪府出身の62才。1974年、NHK銀河テレビ小説「おおさか・三月(みつき)・三年(さんねん)」にウェイトレス役でデビュー。その後、NHK朝の連続テレビ小説「おはようさん」のヒロインに抜擢され、清純なたたずまいに「吉永小百合の再来」と騒がれるました。

その後、ドラマ、映画のほか、バラエティ、舞台など活躍の場を広げ、長女出産の後、出版や講演会活動を精力的におこない、自身のライフスタイルや、20年続けているダイエットの話などを明るく伝える活動をしています。

headlines.yahoo.co.jp

秋野暢子さんの終活

さて、こんな秋野暢子さんですが、目下「終活」に励んでいるそうです。週刊誌の取材には、「定期的に健康診断に行くようになりました。エンディングノートもつけています。娘に残す動産・不動産の書類や印鑑の保管場所。葬儀の仕方や遺品の分配先もひとつずつ丁寧に書いています」と答えています。

また、最近は断捨離がマイブームで、昔買ったブランド品や洋服はかなり処分して、一人暮らしに必要無い家具も知人に引き取ってもらっているそうです。 

こんな秋野さんですが、60才を迎えた2年前には、一人娘に迷惑を掛けるわけにはいかないからと『日本尊厳死協会』に入会されています。

実は、秋野さんのお母さんも60才の時に同協会に入会していて、会員証を見せられて「死ぬときは静かに死なせて欲しい、延命治療はいらない」と言われていたとのこと。

それから18年後、お母さんは亡くなりましたが、病院で延命措置を勧める医師に、母親の意志を尊重し、安らかに眠らせて欲しいと延命治療を断ったが、その後は自分の選択が正しかったのか悩み続けることになったそうです。

しかし、自身が60歳の誕生日を迎えたときに「娘から“還暦おめでとう”とメールをもらい、その時、子ども達には絶対に迷惑をかけたくない。そんな母の気持ちがやっと分かりました」と話されています。

さて、この「尊厳死」という言葉は耳にすることはありますが、具体的にどのようなものか、「安楽死」とどう違うのか? 

そこで、秋野さんが入会した一般財団法人 日本尊厳死協会(東京都文京区)について調べてみたので紹介します。

日本尊厳死協会とは

www.songenshi-kyokai.com

 

日本尊厳死協会では、「私の最期は自分で決める」ことを勧めています。同協会ではこのことを「リビングウイル(LW)」といっています。LWは「生前意志」、いわば「いのちの遺言状」といえるものです。

あらかじめ「自分の命が不治かつ末期であれば、延命措置を施さないでほしい」と宣言し、書面に記しておきます。医師には、延命措置を控えてもらい、苦痛を取り除く緩和に重点を置いた医療に最善を尽くしてもらう。同協会では、こうした安らかな最後を迎えることを希望する方々のためにLWを発行し、支援しています。

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出典:日本尊厳死協会HP

尊厳死と安楽死との違いは?

死期が迫っている患者に耐え難い肉体的苦痛があり、患者が「早く逝かせてほしい」との意思を持っていることが明らかな場合でも、医師が積極的な医療行為で患者を死なせることを安楽死と呼びます。

延命措置を行わないこととは、明らかに異なりますし、日本では患者を安楽死させた事件では、いずれも医師の有罪判決が確定しています。欧米などでは、この安楽死を合法的に認めている国・州がありますが、日本尊厳死協会は安楽死を支持していません。

延命措置 

 LWに書かれている「延命措置」とは、回復の見込みがないと診断された患者で、かつ死期が近づいているにもかかわらず、人工呼吸器や透析、胃ろうなどによって生命を維持するための措置です。意識があっても人工呼吸器を着けていれば話すことができませんし、原疾患による苦痛とも闘わねばなりません。

苦痛を和らげる緩和医療

延命措置を断っても、痛みや呼吸の苦しさを緩和するための医療行為は必要です。延命措置は断っても、これらの緩和医療は積極的に行ってもらうことが、安らかな最後を迎えるための必須の条件だとも考えられます。LWの2番目の項目に、この緩和医療が盛り込まれているのは、そのためです。最近は麻薬の使い方も研究され、痛みからも解放される治療が進んできています。

 引用:日本尊厳死協会HP

このように、日本尊厳死協会は、死期が迫っている患者に対して、医師が積極的な医療行為で患者を死なせることを支持しているわけでありません。

人工呼吸器や透析、胃ろうなどによって生命を維持するための延命措置は控えてもらいますが、痛みや呼吸の苦しさを緩和するための医療行為は必要です。緩和医療は積極的に行ってもらうことが、安らかな最後を迎えるための必須の条件だと考えています。

 同協会では、入会については十分に納得した上で入会手続きをするように勧めています。日本尊厳死協会に入会したい場合は、電話かファクス、あるいは「資料請求フォーム」から、住所、氏名を明記のうえ、パンフレットを請求することになります。

ご夫婦で入会される場合は、LWがそれぞれ必要となります。まずはパンフレットに書かれている説明を熟読して、家族と相談したり、友人と話し合ったりして、納得したうえで入会して下さい。特に家族については、十分に説明して納得してもらうことが必要でしょう。

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まとめ

自分の終末期をどうするかを決めておくのも終活の大事なテーマです。

しかし、死期が迫った場合に延命治療を受けるかどうかについては、自分だけでなく、家族を含めて大事な問題です。延命治療で苦しい思いをしたり、家族に経済的負担をかけたりする可能性があることを考えれば、尊厳死は現実的な選択肢の一つでしょう。

もちろん、日本尊厳死協会に入会しなくても、エンディングノートに記載して、家族に自分の気持ちを話しておくこともできます。いずれにしても、家族には十分に説明して納得してもらうことが必要でしょう。 

参考:現在、日本では「尊厳死」が法的に認められるという状況にはありません。しかし、厚生省が2007年に発行した「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」に、死に瀕した患者に対する治療についての指針が示されています。このガイドラインでは、本人・家族・医療チームによってきちんとした議論が行われていれば治療の中止を含めた判断を行えると明示されています。さらに、患者本人の苦痛を和らげるような処置も可能な限り行えるとされており、「生命を短縮させる意図を持つ積極的安楽死は対象としない」と明示されています。

引用:StoneWasher's Journal